ソーシャル・プラクティス(アート),またはソーシャリー・エンゲージド・アート(SEA)とはアーティストが社会とそれを作る人々と深く関わって社会をより良い方向に変えようという活動です。

この炊き出しアート・プロジェクトとアート・スタジオ・プロジェクトはアートの表現を通して、声をあげにくい人達の声を社会に発信し、考えてもらおうという活動です。

 

Social practice (art) is an activity in which artists engage deeply with society and change society for the better.

The soup kitchen art project and the art studio project are activities to transmit to society, think about the voices of those who are marginalized by society through artistic expression.

 

 

 

 

アートスタジオ大山とは

何でも自由に好きな画材を使ってアート作品を創ることができるスタジオです。画材はすべて備えてありますので自由に使えます。一般の方は利用する時間が自由に選べて低料金で利用できます。また生活保護受給者や炊き出し利用者は無料で使用できます。近所に住む子供たちのための子供アート教室も併設しており、幼児と小学生が主に利用しています。

スタジオ利用者はアクリル画・油絵・水彩画・立体制作・ドローイングなど自由にできます。

火、木、土・日曜日、共に午後1:00~5:00まででしたら一回一日3時間までで1500円(材料費500円含む)来る回数も自由です。(回数ごとに1500円)

 子供アート教室は毎月第1, 3土曜日と第1, 3,4日曜日の一部1:00~2:10, 二部は2:30~4:00までです。各部定員4~5名。通常の教室の他に毎月第4土曜日の上記の時間に、大きな紙に描けるテーマをもうけたワークショップがあり、共に一回1500円(材料費500円込み)です。

    

 

               スタジオの様子

電話またはメールでご予約ください。

場所:板橋区幸町15-15  アクロス大山地下

電話:080-3559-8313

メール:osgrwhtk@gmail.com

 

 

 

 

 

炊き出しアートスペースとアートスタジオ・プロジェクト(ソーシャルプラクティス)について

この活動はてのはし(ホームレス・困窮者支援NPO)の協力を得て、炊き出し会場(東池袋中央公園)にアートスペースを設け、炊き出し参加者の中から自発的に集まって来る人達の思いを表現してもらう活動(2021年から実施)と、屋根のあるアートスペース(2022年創設)として創ったアートスタジオ大山でのアートで自分の思いを表現することが学べるスタジオを運営するという二つの活動が合体したアート・プロジェクトです。「下手でもいい。絵や文で思いを表現すれば、それがアートになる」というのが私の基本理念です。

アートをやりたいのに、これまでアート教育とは無縁だった人たちのためにアートに対する敷居を低くして、無料または低料金で本格的にアート制作ができるスタジオとして出発したのがアートスタジオ大山です。このスタジオ活動の目的はアートの考え方を社会に広めることにあります。アートの考え方とは既定の考え方に縛られず、それを壊したり、再構成したりして新しい価値を創ることです。またアートをベースにしたそのような考え方を探求し議論するための特別ワークショップも随時開催します。

 

てのはしアートスペースでもアートスタジオ大山でも制作者の自発性と独自性を重んじて、その作品を社会に発信します。アートは自信を得るための新しい可能性を提供し、自尊心、自己表現、尊厳、精神的な健康を維持回復する手段としても認識されています。またアート制作は個人が意見を持ち、考える活動を促進します。これら二つの場所で創られた作品を発表することで個人が考えていることを社会に投げかけて観る人々に考えてもらうことが狙いです。

 

 

Soup kitchen Art Space and Art Studio Project---Social Practice

 

This is an art project that combines two activities: (1) setting up an art space at the site of a soup kitchen run by TENOHASI(a non-profit organization that supports the needy) and having the participants of the soup kitchen express and present their ideas, and (2) running a studio where people can learn to express themselves through art at Art Studio Oyama, a roofed art space that I created.

 

This is a studio for people who want to do art but have never had any connection to art education, where they can create art in a low-cost, authentic way. The teaching in this studio emphasizes spontaneity and originality. The purpose of this studio activity is to spread the idea of art in society. The idea of art is to create new value by breaking down and reconfiguring existing ideas, rather than being bound by them.  

 Special workshops are also held from time to time to learn more about this concept to explore and discuss such an idea based on art.

 

Art offers new possibilities for self-confidence. Art is recognized as a means of maintaining and restoring self-esteem, self-expression, dignity, and spiritual health.

Art production also encourages individuals to engage in opinionated and thoughtful activities. By presenting these works of art, I am trying to raise question about society and encourage people to think.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタジオ・ユーザーの作品

 東池袋中央公園の炊き出しの行列での人々の並びや流れを描いています。

 私達はこの先何度この公園に並ぶのでしょうか。

現在の日本の中小企業は例えるならば海を漂い今にも沈没しそうな筏だと思います。

人間というものはいざ危機状態下に陥ると弱者やよそ者を選んで排除行為を始めます。筏に乗せられた者達は限られた水と食糧をめぐって互いに生き残り合戦を始めます。今ここ東池袋中央公園で行列をなしている私達は真っ先に海に蹴落とされた者達なんだと思います。                        路上太郎

池袋をさまよい歩く。サンシャイン60の隣の公園で

私の周りの背景に描かれているのはサンシャイン周辺のビル。建物の窓、道路、道路標識、首都高の立体交差。ホコリや排気ガスであふれる街をすることもなく一日中歩き回って足がヘトへトになり腹がへってあげく入ったのはローソンの百円ショップ。

そこでいつも一番安いカップラーメンを食べました。  路上太郎

The buildings around Sunshine City are depicted in the background around me. Windows of buildings, roads, street signs, and the multi-level crossing of the Metropolitan Expressway. After walking around all day with nothing to do in a city filled with dust and exhaust fumes, my legs were exhausted and I was hungry, so I went into a Lawson one-dollar store. There I ate the cheapest cup of ramen I could find.

Taro Rojyo

 

 

 

The Loser, 「負け組」

私の横顔の絵です。まるで動物のような横顔。動物のように本当に苦しかったのだと思います。横顔の脇に描かれている文字は”Loser”です。十年ほど前に勝ち組・負け組

という言葉が流行りました。この絵は負け組がテーマです。今の世の中はさらに勝ち負けが進行しています。勝ち組は負け組の犠牲によって成り立っています。

こういうことができる人間っていうのは冷酷な生き物だよね。    路上太郎

 

This is a picture of my profile. A profile like an animal. I think I was really suffering like an animal. The word drawn on the side of the profile is "Loser".  About ten years ago, the words "winners and losers became popular. The theme of this painting is loser.

In today's world, the winners and losers are further progressing, Winners are made up of losers at the expense of winners. People who can do this are ruthless creatures.

 

Painted and written by Taro Rojyo who was a homeless man.  

 

 

 

 

 

 

 

 

      自画像、2022                                                                        Self-portrait             Taro Rojyo

      路上太郎 

 

 

 

 

 

 

フライドポテトを食べる女  路上太郎       Taro Rojyo

炎上      路上太郎                              sold

        

       Twitter goes up in flames.                Taro Rojyo

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  猫, マンモス, 花と鳥、赤い花          長沼鉄男

独学でものの形を描写する方法を習得した。いつも何かを見て描くが、その通りを写すのではなく独自の方法と解釈でアレンジする。絵を描くことが大好きで5時間でも集中して描くことができる独り暮らしの82歳。

 

                                                                               Tetsuo Naganuma

He learned to paint on his own. He always looks at something and draws it, but instead of copying it exactly as it is, he arranges it in his own unique way and interpretation. He is 82 years old and lives alone. He loves to paint and can concentrate on it for five hours. 

 

           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

併設子供アート教室とワークショップ

2歳から参加可能です。

大きな紙の上に様々な素材(マテリアル)を使い、広範囲な画材を使ってする自由な造形遊びができます。

土曜日と日曜日の午後1時から4時までで各定員4名の2部制です。要予約。

随時、ワークショップを行い子供たちの創造性を刺激します。子供たちは自分で価値を創り出したり、自分が価値付けることを許される経験をすることができます。

    音と造形のワークショップ作品(幼児、4歳と5歳)

音と造形のワークショップ

外部の音楽教育専門の方をお招きして演奏して頂き、民族音楽の楽器が出す音を聴きながら描きました。リズムに合わせたり、音からの刺激で材料を切ったり貼ったりして工夫する時間を楽しみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展覧会

The Exhibition    Title: I'm here.

   アートスペースとスタジオのでの作品の展覧会を開催しました。

           10月22日(土曜日)10:00~16:00

           場所:東池袋中央公園噴水広場

 

  絵の作者も加わって色々な問題について話し合う対話カフェもありました。

 

 

観に来られた方々の感想

 

●自由に描いていて圧倒された。私も描いてみたい。

●書いてある文に共感した、私も弱者だ。ここで炊き出しとか、こんなことが行われることを知って良かった。

●私はこういうことは意識して生活してなかった。大変な人がいるのがわかった。

●この人達は本当の中で生きている。苦しい経験をアートにできることで救われた

というのに感動した。絵が素敵です。

●2時間かけて小田原から観に来た。共感することが多く、力づけられた。2時間かけて来て良かった。

 

 

Impressions from the audience

I was overwhelmed by the freedom to draw. I want to draw too.

 

I sympathized with the texts. I am also a handicapped. I am glad to know that this kind of thing, such as a soup kitchen, is done here.

 

 

I have not been conscious of these things in my life. I could understand that there are people who are in trouble.

 

These people are living in the real world. I was moved by the fact that they were able to turn their painful experiences into art. The pictures are wonderful.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

The press/Publications

 東京新聞夕刊記事  アートスタジオ大山   07/01/2022

 

路上生活、生活保護…困窮する人が無料で使えるアトリエ、板橋に 絵筆の先に浮かぶ「生き方」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

 

 Minna Valjakka の論文に掲載:Rie Osogoe : Art, space, and voices     06/18/2022

NHK国際放送部「生活困窮者の声をアートに」英語版で世界にネット配信        10/18/2022~11/27/2022
NHK首都圏ホームページ   09/26/2022
 
 東京新聞朝刊記事 10/22の展覧会、偏見や差別をなくそう 10/29/2022
毎日新聞朝刊記事 街角ことば拾い  11/12/2022
月刊誌「住民と自治」12月号 自治体研究社  人つながる㉑ だれでも なんでも 「アートスタジオ大山」ー声を出せない人の声を拾う
しんぶん赤旗 {社会 総合} 共に生きる 「炊き出しから生まれた芸術」     01/04/2023
月間 ケアマネジメント 2月号 「炊き出しアートプロジェクトが教えてくれること」
      ~あるアーティストと生活困窮者たちとのかかわりから~  ライター:小笠原綾子 02/01/2023
職場美術、全日本職場美術協議会機関誌第145号 炊き出しから生まれる芸術-アートスタジオ大山を訪ねる    03/2023